スモーガスボード

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スモーガスボード、スウェーデンのビュッフェ

スモーガスボードスウェーデン語: smörgåsbordスウェーデン語発音: [ˈsmœ̞rɡɔsˌbuːɖ])は、様々な料理を一つのテーブルに並べてで提供するスウェーデン起源のスカンジナヴィア料理である[1]。 海の幸、山の幸を取り揃えている豪華なものであり、日本で盛んなビュッフェ形式の原型にあたる[2]

スウェーデン以外の国では、ノルウェー語: koldtbordデンマーク語: det kolde bordアイスランド語: hlaðborðフィンランド語: seisova pöytäエストニア語: rootsi laudラトビア語: aukstais galdsリトアニア語: švediškas stalasクロアチア語: švedski stolドイツ語: kaltes Buffetポーランド語: szwedzki stółと呼ばれる。

概要[編集]

「スモーガス」は「パンバター」の意で、「ボード」は「テーブル」の意である。オープンサンドをそれぞれで作って食べることが由来であるが、17世紀中ごろからは温製料理も提供されるようになり、現在のスタイルになった[3]

パーティーなどの宴席によく用いられ、客は並べられた皿から各自の好みで料理を取り分ける。スモーガスボードは、1939年ニューヨーク万国博覧会のスウェーデンパビリオン内の「スリークラウンズ·レストラン」で提供されてから国際的に知られるようになった[4]

スウェーデンではレストランだけではなく、家庭においてお祝いをするときなどもテーブルに料理を数多く並べてスモーガスボード形式を行うこともある[3]

クリスマス期間のスモーガスボードは特別な物となり、ユールボードスウェーデン語版と呼ばれる[5]

代表的なメニュー[編集]

スウェーデンの客船Gustavsberg VII号上での1990年のクリスマス スウェーデンの客船Gustavsberg VII号上での1990年のクリスマス
スウェーデンの客船Gustavsberg VII号上での1990年のクリスマス
スモーガスボードの客が取り分けた皿

様式(マナー)[編集]

  • 料理を取ってくるのに使用した皿の数が多いほうが良いとされる[3]
  • 料理ごとに皿は交換し、使いまわしはしない[6]
  • 皿は個人で使用し、取ってきた料理を2人以上でシェアしない[6]
  • 皿に山盛りで取ってこない[7]
  • 取ってきた料理を大量に残さない[7]
  • 厳密ではないが、食べる順序(料理を取ってくる順序)が定められている。以下は一例[3][6][8]で、フルコースと同一。
    1. 前菜
    2. 冷たい魚介類
    3. 冷たい肉料理
    4. サラダ
    5. 温かい料理
    6. デザート

出典[編集]

  1. ^ "smorgasbord". Dictionary.com Unabridged. Random House. 2023年12月15日閲覧
  2. ^ 角田.
  3. ^ a b c d 誠文堂新光社 編『世界のじゃがいも料理:南米ペルーからヨーロッパ、アジアへ。郷土色あふれる100のレシピ』誠文堂新光社、2015年、143頁。 
  4. ^ Anna Brones (2008年2月23日). “Straight-up Scandinavia: Understanding the smörgåsbord”. 2022年1月9日閲覧。
  5. ^ クリスマス最大のお楽しみ!今年のディナーは本場・欧米スタイルがおすすめ”. OZmall (2015年12月10日). 2017年12月26日閲覧。
  6. ^ a b c 『ララチッタ 北欧(2016年版)』JTBパブリッシング、2015年、101頁。ISBN 9784533105173 
  7. ^ a b 喜多川リュウ『海外パックツアーをVIP旅行に変える101の秘訣』実業之日本社、2013年、41頁。 
  8. ^ 玉村豊男『食卓は学校である』集英社集英社新書〉、2010年、40-46頁。ISBN 9784087205633 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]