ドン川

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ドン川
ドン川
ヴォロネジ州
延長 1,950 km
平均流量 935 m³/s
流域面積 425,600 km²
水源 ノヴォモスコーフスク付近
水源の標高 -- m
河口・合流先 アゾフ海
流域 ロシアの旗 ロシア
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ドン川流域

ドン川(ドンがわ、Дон)は、ロシア連邦を流れる主要なの一つである。

地理[編集]

モスクワの南東トゥーラ近くから始まり、最初は南東のヴォロネジへ向けて流れ、南西へと向かい、約1,950kmを流れアゾフ海北東部のタガンログ湾へ注ぐ。

川沿いに主要都市ロストフ・ナ・ドヌアゾフがある。最東端はヴォルガ川と接近しており、ドン=ヴォルガ運河(全長 105km)によって結ばれている。

歴史[編集]

流域は遊牧民族スキタイ人の発祥の地であり、今日に至るまで重要な交易ルートとして発展してきた。8世紀から9世紀頃はテュルク系民族と考えられる西突厥配下のハザールが国家を置いて支配していた地域に含まれる。

11世紀中頃、キプチャク草原の中央部にポロヴェツ族が到来し、コンチャークの治世にシヴェーリア公国セーヴェルスキイイーホルが攻め込んだが敗北した(イーゴリ遠征物語)。

1223年カルカ河畔の戦いではキプチャク・ルーシ連合軍がモンゴル帝国を迎え撃ったが敗北した。

プガチョフの乱1773年 - 1775年)では、ドン・コサックが蜂起したが、ロシア帝国正規軍に敗北した。

この川の名称について言語学者 泉井久之助は、「スキュタイ語の今日の継続形だとされるコーカサス地方のオッセート族(Osset)の言語における don 「水、流れ」(語根は *dhen-, *dhon-「走る、流れる」)によって理解され(る)」としている[1]

支流[編集]

下流より記載

脚注[編集]

  1. ^ 泉井久之助『ヨーロッパの言語』岩波書店岩波新書699)1968年、2刷 1969年、197頁。

関連項目[編集]