四阿

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臨泉亭(好古園、姫路市)

四阿(あずまや、しあ)、東屋(あずまや)とは庭園などに眺望、休憩などの目的で設置される簡素な建屋。「四阿」の「阿」は軒の意味で、四方に軒を下ろした寄棟宝形造などの屋根を持つ建造物を意味する。唐風に「」(ちん)とも呼ばれる。和語の「あずまや」は東国風の鄙俗な建屋を意味する。

構造[編集]

だけで壁面をほとんど持たないか、持っていても簡素な造りのものが多い。開放的で眺望に優れるため、大名庭園や神苑、池の畔などに休憩所として設営された。屋根は寄棟など四方に軒を下ろしたもののほか、六角形や八角形の屋根を持つ宝形造のものが多く見られる。中国では寄棟造を「四阿頂」という。

風景を楽しむ場所のみならず、建物それ自体が庭園の風景にとけ込み、意匠として風景に雅趣を加えることもある。屋根は藁葺き茅葺き、板葺きが多いが、瓦葺き桧皮葺きの屋根を持つものもある。広さは4~5人が入れる程度のものであり、座席や欄干を設けることもある。

現代建築としては、公園や観光地に設置される西洋風の四阿(英語で「ガゼボ」という)が馴染み深い。

著名な四阿[編集]

  • 卍字亭(桂離宮
  • 臨泉亭(好古園)

関連項目[編集]

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