大葉シダ植物

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大葉シダ植物
大葉シダ植物の各群
大葉シダ植物の各群[注釈 1]
分類
: 植物界 Plantae
(=アーケプラスチダ Archaeplastida
亜界 : 緑色植物亜界 Viridiplantae
階級なし : ストレプト植物下界 Streptophyta
上門 : 陸上植物上門 Embryophyta
: 維管束植物Tracheophyta
亜門 : 大葉植物亜門 Euphyllophytina
: 大葉シダ綱 Polypodiopsida
学名
Polypodiopsida
Cronquist, Takht. & W.Zimm. (1966)
emend. Pryer, Smith & Rothfels (2009)
シノニム
亜綱

大葉シダ植物[6](だいようシダしょくぶつ、Polypodiopsida または Monilophyta[2])はシダ類薄嚢シダ類 + リュウビンタイ類 + ハナヤスリ類)、マツバラン類トクサ類からなる植物の一群である[7]。かつては小葉植物とともにシダ植物とされた[8]。近年の分子系統解析により、単系統であるとされる[8]

化石植物も含め、原生木部が中心柱の辺縁に円環状に配列するため、ネックレスに見立てモニロファイツ: monilophytes[8][9][10], moniliforms[11]、学名:Moniliformopses[1], Monilophyta[2][6], Monilopsida[3])と呼ばれる[5][8]。これを訳したモニロファイト類[12][13]モニロファイト植物[13]首飾植物[8]ネックレス様植物[8]などの呼称も用いられる。また、小葉類と区別して大葉シダ類[14]、また単にシダ植物[8][7][4]シダ類[15] (: ferns[16][17])と呼ばれることもある。ただし、シダ植物は小葉類も含む側系統群を指すことが多く[15][14]シダ類薄嚢シダ類真嚢シダ類からなる側系統群を指すことが多い[18]

学名と分類階級[編集]

真正シダ類トクサ類マツバラン類を全て含む分類群に初めて名前を付けたのはKenrick と Crane (1997)であり、化石植物を含む分岐学的解析の結果、これを単系統群として下門に置き、ラテン語moniliformis("necklace-like"、ネックレス様の)から、Infrdivision Moniliformopsesと名付けた[1][17]。これはBeck と Stein (1993)では"permanent protoxylem" group[注釈 3]と呼ばれた、浅く分かれた一次木部のある原生木部をもつ初期の化石分類群と対応している[1]

シダ植物門 division Pteridophytaと、かつての広義のシダ植物を指す学名をそのまま用い、に置くこともあった[4]Cantino ら (2007)では、Moniliformopses Kenrick & Crane派生形質による (apomorphy-based)グループで、クラウングループ (crown clade)には命名されていないとして、Judd et al. (2002)や Simpson (2006)、Smith et al. (2006)などで"monilophytes"と呼ばれていた本群をクラウングループとして Monilophyta P.D. Cantino & M.J. Donoghueと名付け、Doweld (2001)における Pteridophytanae とほぼ等しいパングループ (total clade)にPan-Monilophyta P.D. Cantino & M.J. Donoghueと名付けた[2]。このクラウングループの定義としては、トクサ類であるEquisetum telmateia Edwards[19] (1783)および薄嚢シダ類であるワラビ Pteridium aquilinum (L.) Kuhn (1879)を何れも含むが、種子植物であるイチョウ Ginkgo biloba L. (1771)および小葉植物である Selaginella apoda (L.) Spring (1840)をどちらも含まないクレードとして示される[2]

現在は普通に置かれ、シダ植物綱大葉シダ綱)と呼ばれる[3]PPG I (2016)でも綱の階級に置き、class Polypodiopsida Cronquist, Takht. & W.Zimm.とされるが[20]Smith et al. (2006)ではこれは薄嚢シダ類を指すこともあり[14][17]、注意が必要である。なお、Cronquist, Takhtajan & Zimmermann (1966)では、Polypodium L. (1753)をタイプ属として class Polypodiatae Cronquist, Takht. & Zimmerm. を設立しているが[21]Polypodiopsidaはこれを国際藻類・菌類・植物命名規約 第16.3条のもと語尾を訂正したものである[22]。また、ここでは同じ範囲を指す門 Polypodiophyta Cronquist, Takht. & W.Zimm.も設立されている[21]。両分類群とも、トクサ類およびマツバラン類を含まない、真正シダ類に対して命名されたものである[21]。この学名を大葉シダ植物に対して用いたのは Pryer ら (2009)であり、化石植物の地位は曖昧であることなどを理由にMoniliformopsesではなく Polypodiopsidaを用いた[16]Ruggiero ら (2015)では、Polypodiopsidaのみを含む上位分類群として、Subphylum Polypodiophytinaという亜門を置いた[23]。但し、Cantino ら (2007)による Polypodiophyta Cronquist, Takht. & W.Zimm.では、トクサ類を除く分類群として定義されており、最近の系統解析に基づく文脈では、トクサ類がこの分類群の中に内包されることがあり、その場合 PolypodiophytaMonilophyta が同義となるとしているが、別の文脈では PolypodiophytaMonilophyta の下位に位置づけられるとしている[2]

系統関係[編集]

Shen ら (2018)Wickett ら (2014)Puttick ら (2018)による分子系統解析から、以下のような系統樹が得られている[24]

シダ植物は伝統的に、マツバラン類(無葉類)ヒカゲノカズラ類(小葉類)トクサ類(楔葉類)、およびシダ類(大葉類)の4群に大きく分類されていた[15][14][4]が、分子系統解析の結果従来考えられていた4群ではなく小葉類および大葉シダ類(トクサ類 + マツバラン類 + ハナヤスリ類 + リュウビンタイ類 + 薄嚢シダ類)の大きく2群に分けられるようになった[15][14][4][8]。また、このうちシダ類は胞子嚢が胞子体の表層の複数の細胞から生じ、完成した胞子嚢が複数の細胞層の壁を持つ真嚢シダ類(ハナヤスリ類 + リュウビンタイ類)および胞子嚢は単一の細胞から生じ、完成した胞子嚢は1層の細胞層の壁を持つ薄嚢シダ類が認められていた[14]が、真嚢シダ類はハナヤスリ類とマツバラン類が姉妹群をなすことで側系統となった。

陸上植物
コケ植物

ツノゴケ植物門 Anthocerotophyta

苔植物門 Marchantiophyta

蘚植物門 Bryophyta

Bryomorpha
維管束植物

小葉植物 Lycophytina

大葉植物
大葉シダ植物
トクサ亜綱

トクサ目 Equisetales

Equisetidae
リュウビンタイ亜綱

リュウビンタイ目 Marattiales

Marattidae
ハナヤスリ亜綱

マツバラン目 Psilotales

ハナヤスリ目 Ophioglossales

Ophioglossidae
ウラボシ亜綱(薄嚢シダ類)

ウラボシ目 Polypodiales

ヘゴ目 Cytheales

サンショウモ目 Salviniales

フサシダ目 Schizaeales

コケシノブ目 Hymenophyllales

ウラジロ目 Gleicheniales

ゼンマイ目 Osmundales

Polypodiidae
Polypodiopsida
種子植物

裸子植物 Gymnospermae

被子植物 Angiospermae

Spermatophyta
Euphyllophytina
Tracheophyta
Embryophyta

化石植物も含めると大葉シダ類は種子植物を含むクレードである木質植物 Lygnophytaとともに大葉植物(真葉植物)Euphyllophytinaにまとめられ、トリメロフィトン類 Trimerophytopsidaステムグループとして持つ[8]。上記の系統樹の維管束植物の枝にKenrick と Crane (1997)などによる化石植物の系統樹を加えると次のようになる[24]。なお、EuphyllophytinaCantino ら (2007)における Pan-Euphyllophyta と解釈し、Kenrick と Crane (1997)におけるEophyllophyton および Psilophyton を長谷部 (2020)におけるトリメロフィトン類としている。

維管束植物

小葉植物 Lycophytina

大葉植物

トリメロフィトン類 Trimerophytopsida

大葉シダ植物
トクサ亜綱

スフェノフィルム目 Sphenophyllales

トクサ目

ロボク科 Calamitaceae

トクサ科 Equisetaceae

Equisetales
Equisetidae

リュウビンタイ目 Marattiales

マツバラン目 Psilotales

ハナヤスリ目 Ophioglossales

ウラボシ亜綱Polypodiidae

Polypodiopsida
種子植物

裸子植物 Gymnospermae

被子植物 Angiospermae

Spermatophyta
Euphyllophytina
Tracheophyta

特徴[編集]

上記の通り、大葉シダ植物は化石植物であるトリメロフィトン類の中で原生木部中原型で環状の維管束配列を持ったものが生まれ、それを祖先に持つグループだと考えられている[7]

維管束[編集]

トリメロフィトン類より基部に分岐した群と考えられるリニア類では、原生木部の中心にあり、そこから外周に向けて放射状に後生木部が形成される心原型原生中心柱と呼ばれる維管束中心柱)を持っていた[25]。トリメロフィトン類では、背が高くなり茎が太くなるのと並行し、中心柱が放射状に複数の腕を出して伸び、心原型放射原生中心柱となった[8]。これに対し、小葉類の祖先と考えられているゾステロフィルム植物では、リニア類のもつ心原型原生中心柱が外原型の原生中心柱になり、のちにアステロキシロンなどの絶滅小葉類で放射状となった[8]。大葉シダ植物の系統に繋がるトリメロフィトン類では、腕状に伸びている中心柱の原生木部が中央部から消失し、腕の遠位端部分にのみ残り、中原型放射原生中心柱となった[8]十字型だった原生木部が大葉シダ植物では中心柱の辺縁にネックレス様に配列するため、大葉シダ植物は monilophytesmonīle 首飾 + φυτά 植物)と呼ばれる[5][8]

トクサ類では、絶滅群であるスフェノフィルム類およびロボク科木質植物と同様に両面維管束形成層を持つ[7]。そのため、トクサ類の共通祖先で両面維管束形成層を獲得した、もしくは大葉植物(木質植物 + 大葉シダ植物)の共通祖先で両面維管束形成層を獲得し、トクサ類以外の大葉シダ植物で消失した可能性がある[7]。大葉シダ植物の共通祖先では中原型放射原生中心柱'だったものが、スフェノフィルム類では外原型の3ヶ所の原生木部の内側に後生木部が形成されるようになり、現生のトクサ科とロボク科の共通祖先で原生木部が中原型から内原型に進化し、茎の中央に髄腔が、原生木部周辺に通水道が形成されるようになった[7]

トリメロフィトン類では茎の中心が木部で占められていたが、トクサ目および残りの大葉シダ植物の共通祖先で茎の中央部が髄細胞に分化するようになった[7]。髄細胞は柔細胞であることが多いが、厚壁細胞であることもある[7]ハナワラビ類を除く現生の大葉シダ植物では維管束形成層が進化せず、二次木部を形成しないため、髄が発達することで茎が太くなり、植物体が大きくなるようになったと考えられる[7]。大葉シダ植物では、葉跡(茎から葉に繋がる維管束)の上側、一次木部細胞に接して柔細胞が形成され、皮層を繋ぐため、葉跡の上に葉隙 leaf gapが形成される[7]。後生木部の間の維管束間細胞が順次、後生木部に分化し、隣接する木部が繋がるが、茎の中央部(髄)と葉跡の向軸側の細胞(葉隙)は柔細胞に分化することで木部全体が管状になるため、葉隙のできる部分に穴が開いたように見える[7]。匍匐性の茎などで葉間が長い場合は後生木部が管状になり、管状中心柱と呼ばれるが、葉間が短く、茎の維管束に入る葉跡が多くなると葉隙が増え網目状になるため網状中心柱と呼ばれる[7]。なお、被子植物では葉隙と同様の空間を空隙 lacunaと呼ぶが、被子植物では葉跡が葉原基から求基的に伸長するのに対し、大葉シダ植物では小葉植物と同様に茎から葉原基に向かって求頂的に伸長するため、別のものであると考えられる[7]

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スギナ Equisetum arvense L. の栄養茎を覆う楔葉。その下に枝が輪生する。
カニクサ Lygodium japonicum (Thumb.) Sw. の葉。葉の先端が伸長し無限成長を行う。

現生の大葉シダ植物は大葉megaphyll)を持つが、トクサ類、マツバラン類、ハナヤスリ類、リュウビンタイ類、薄嚢シダ類の5群ともに葉の形態が互いにかなり異なっていることから、葉は(共通祖先で獲得した可能性もあるが)各群で独立に獲得したものかもしれないと考えられている[7][26]。また、種子植物も大葉を持つが、葉のどこから分化が進行するかや、維管束の形成様式、葉序形成の仕組みなどが異なっているため、平行進化であると考えられている[8]。葉序形成については、種子植物では茎頂分裂組織におけるオーキシンの分布変化によって葉原基の配置が決定されるのに対し、大葉シダ植物では茎頂にある3面で切り出す頂端幹細胞から切り出された細胞の娘細胞の中に葉原基頂端幹細胞ができて葉となる[8]

トクサ類では、化石植物および現生植物でともに輪生葉(輪葉、楔葉、sphenophyll)を持つ[7]。茎頂分裂組織で複数の葉原基が同時に形成される被子植物の輪生葉とは異なり、トクサ類の輪生葉では茎頂の四面体の茎頂端幹細胞から3面で順次細胞が切り出され、3つの細胞が分裂して葉原基が形成される[7]。1つ1つの娘細胞は時間間隔をあけて形成されるが、葉原基形成はうまく同調して起こる[7]

マツバラン類では他の大葉シダ植物の葉より単純な構造をした葉状突起という器官を付ける[7]。そのうちイヌナンカクラン属 Tmesipteris では茎に二又に割れた葉状突起を形成し、茎から葉隙を作らずに1本の維管束が伸びる[7]。対しマツバラン属 Psilotum では維管束を持たない葉状突起を付ける<[7]

薄嚢シダ類の葉は羽葉(うよう、frond)と呼ばれる[27]。これはワラビ巻きから生じ、求頂的に成長するため、求基的に成長する広葉樹の葉とは異なっている[27]。左右相称で背腹性を持ち、葉軸の維管束は上面に向かって開き、葉身は様々な程度に癒合する[27]。また、先端にレンズ型の頂端幹細胞を持ち、カニクサなどでは葉の先端部分が無限成長し羽片を作り続けることから、種子植物より的な性質を保持している[8][7]

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オオバノイノモトソウ Pteris cretica L. の根端。中心に三角形の断面をした頂端細胞 (t)がみられる。

大葉シダ植物を含む大葉植物は、維管束植物のもう一方のクレードである小葉植物とは独立して根を獲得したことが解剖学的証拠からも化石による証拠からも支持されている[28]。それにもかかわらず根端分裂組織が多層の主根の細胞を供給することや中心に維管束を持ち、根冠根毛を持つことなど、大葉植物の根は小葉植物の根と解剖学的に類似している[28]。現生の植物において、小葉植物の根は同等二又分枝を行うのに対し、大葉植物では側根の内生的な側方への分枝を行うため、これまではその根の分枝の戦略の違いが根の二重起源の証拠であることが示唆されてきた[28]。しかし最近の研究から、デボン紀から石炭紀にかけては全ての維管束植物において二又分枝の根が一般的であったことが明らかになっている[28][29]。そして根の側根分枝は大葉植物のうち少なくとも木質植物(種子植物を含む群)、シダ類薄嚢シダ類およびリュウビンタイ類)、トクサ類の3つの系統で独立して複数回進化したと考えられている[28][29]。大葉シダ植物と木質植物の共通祖先で独立にが進化したと推定されているが、根の起源は分かっておらず、地上部の葉の進化と共に地下部からの吸収の増加が求められるため、葉の進化と同時或いは葉の進化より先に根を獲得した可能性がある[8]マツバラン類では根を持たず、二又分枝する地下茎と地上茎からなるが、進化の過程で根が退化したのではないかとも考えられる[7]。残りの大葉シダ植物の化石では、トクサ類、ジゴプテリス類、リュウビンタイ類、薄嚢シダ類の各クレードにおいて二又分枝と側方分枝の両方が見られる[29]

大葉シダ植物の根端は茎頂に見られるような1個の頂端細胞があり、その下方に根冠が、側面から上方に根の組織形成に関係する分裂組織の細胞がある[30]。この1つの頂端細胞を持つ根端は小葉植物のイワヒバ類にも見られる[28]。大葉シダ植物の始原細胞四面体で、隣接する基部側の3面で周期的に一定回数分裂してメロファイト (merophytes) [注釈 4]を作り、それが積み重なって根を形成する。アカウキクサ Azolla pinnataの根端では、始原細胞が43回分裂し、12個の連続したメロファイトを生成することが分かっている[28]。また、始原細胞の遠位面からは根冠細胞が生成される[28]

下位分類[編集]

ヤチスギナ Equisetum pratenseの輪生する枝
クサソテツ Matteuccia struthiopterisの葉
歴史的分類に関しては「シダ植物」を参照

以下に示す下位分類は、PPG I (2016)[20]により提案されているものに『岩波生物学辞典 第5版』(2013)による化石シダ類を加えたものである。亜科までの分類を示す。和名は主に海老原 (2016)『岩波生物学辞典 第5版』(2013)および邑田・米倉 (2010)に基づく。各亜綱は以前は綱とされることが多かった[14][17]。右図は、PPG Iによるシダ植物の系統関係を示した分岐図で、種子植物より下が大葉シダ植物の科を示す[20]。なお、各亜綱間の系統関係(リュウビンタイ科の分岐位置など)は上記に示した他の研究とは異なる。

大葉シダ綱 class Polypodiopsida Cronquist, Takht. & W.Zimm.

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a: ホウライシダ Adiantum capillus-venerisイノモトソウ科)、b: オオハナワラビ Sceptridium japonicumハナヤスリ科)、c: イワヒメワラビ Hypolepis punctataコバノイシカグマ科)、d: カニクサ Lygodium japonicumカニクサ科)、e: トクサ Equisetum hyemaleトクサ科)、f: コモチシダ Woodwardia orientalisシシガシラ科)、g: ニシノオオアカウキクサ Azolla filiculoides(上)とサンショウモ Salvinia natans(下、ともにサンショウモ科)、h: ベニシダ Dryopteris erythrosoraオシダ科)、I: シケシダ Deparia japonicaメシダ科)、j: マツバラン Psilotum nudumマツバラン科)、k: ホラシノブ Odontosoria chinensisホングウシダ科)、l: コシダ Dicranopteris linearisウラジロ科)、m: ゲジゲジシダ Phegopteris decursivepinnataヒメシダ科)、n: シマオオタニワタリ Asplenium nidusチャセンシダ科)、o: ゼンマイ Osmunda japonicaゼンマイ科)、p: シノブ Davallia mariesiiシノブ科)、q: コケシノブ属の一種 Hymenophyllum sp.コケシノブ科)、r: クサソテツ Matteuccia struthiopterisコウヤワラビ科)、s: マメヅタ Lemmaphyllum microphyllumウラボシ科)、t: リュウビンタイ Angiopteris lygodiifoliaリュウビンタイ科)、u: デンジソウ Marsilea quadrifoliaデンジソウ科
  2. ^ ただしクラドキシロン類は多系統側系統の可能性がある[5]
  3. ^ 「恒久的な原生木部」をもつ群
  4. ^ 1つの母細胞から生まれたクローンである一連の細胞
  5. ^ 西田 (2017)などでは大葉シダ植物から除外される。逆にこの中にないラコフィトン目 Rhacophytalesはシダ類に含まれ、クラドキシロン亜綱とされているスタウロプテリス目 Stauropteridalesジゴプテリス目 Zygopteridalesはシダ類(特にコエノプテリス類 coenopterids)に含まれる[10]
  6. ^ 西田 (2017)などではトクサ類から除外される。
  7. ^ 西田 (2017)によると、薄嚢シダ類にはアナコロプテリス科 Anachoropteridaceaeプサリクソクラエナ科 Psalixochlaenaceaeセルマヤ科 Sermayaceaeスカアリプテリス科 Skaaripteridaceaeガイレア科 Guairea などの化石シダ類も含まれる[31]

出典[編集]

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参考文献[編集]

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  • 海老原淳、日本シダの会 企画・協力『日本産シダ植物標準図鑑1』学研プラス、2016年7月13日、16-17頁。ISBN 978-4054053564 
  • 海老原淳、日本シダの会 企画・協力『日本産シダ植物標準図鑑2』学研プラス、2017年3月30日、450頁。ISBN 978-4-05-405357-1 
  • 海老原淳シダ植物の新しい分類体系“PPG”の構築』(レポート)国立科学博物館、2018年3月6日https://www.kahaku.go.jp/research/researcher/my_research/botany/ebihara/index_vol4.html2022年2月21日閲覧 
  • 新村出広辞苑 第六版』(第6版)岩波書店、2008年1月11日、1237頁。ISBN 9784000801218 
  • 西田治文『化石の植物学 ―時空を旅する自然史』東京大学出版会、2017年6月24日。ISBN 978-4130602518 
  • 長谷部光泰『陸上植物の形態と進化』裳華房、2020年7月1日、1-4,124-173頁。ISBN 978-4785358716 
  • 原襄『植物形態学』朝倉書店、1994年7月10日、129-130頁。ISBN 978-4254170863 
  • 村上哲明 (2012), シダ植物(広義) . In: 日本植物分類学会 監修戸部博田村実編著『新しい植物分類学Ⅱ』講談社、2012年8月10日、67-73頁。ISBN 978-4061534490 
  • 邑田仁監修米倉浩司『高等植物分類表』(重版)北隆館、2010年4月10日。 
  • 山田常雄前川文夫江上不二夫八杉竜一小関治男古谷雅樹日高敏隆 編集『岩波生物学辞典 第3版』岩波書店、1983年3月10日、524頁。ISBN 4-00-080018-3 
  • 山田敏弘 (2016). “ありふれた植物化石に生物学的意義を見出す”. 化石 100: 61-67. doi:10.14825/kaseki.100.0_61. https://doi.org/10.14825/kaseki.100.0_61. 

関連項目[編集]