舞子駅

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舞子駅*
駅舎
まいこ
Maiko
JR-A70 垂水 (2.0 km)
(1.9 km) 朝霧 JR-A72
地図 上は舞子公園駅
所在地 神戸市垂水区東舞子町3-1[1]
北緯34度38分0.54秒 東経135度2分1.58秒 / 北緯34.6334833度 東経135.0337722度 / 34.6334833; 135.0337722座標: 北緯34度38分0.54秒 東経135度2分1.58秒 / 北緯34.6334833度 東経135.0337722度 / 34.6334833; 135.0337722
駅番号 JR-A71[2]
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 A 山陽本線JR神戸線
キロ程 15.1 km(神戸起点)
大阪から48.2 km
電報略号 マコ
駅構造 地上駅橋上駅[1]
ホーム 1面2線[1]
乗車人員
-統計年度-
14,769人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日 1896年明治29年)7月1日**[1]
乗換 舞子公園駅山陽電気鉄道本線
備考 直営駅[1]
みどりの窓口
神 神戸市内
* 1899年までの名称は「舞子公園」。
** 仮停車場としての開業日[1]1906年(明治39年)12月1日に駅に昇格[1]
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舞子駅(まいこえき)は、兵庫県神戸市垂水区東舞子町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陽本線である[1]駅番号JR-A71[2]。「JR神戸線」の愛称区間に含まれている[2]

概要[編集]

直営駅[1]アーバンネットワークエリアに属し、ICOCA及び提携ICカード利用可能駅である。JR線では神戸市最西端の駅にあたり、「神戸市内」として運賃計算の特例が適用されるのも当駅以東である。第2回近畿の駅百選選定駅。

駅の上を神戸淡路鳴門自動車道が通過しており、道路上のバス停留所舞子バスストップ(別称「高速舞子」)までは当駅から徒歩約5分[3]の範囲にある。そのため淡路島・四国方面へ向かう高速バスとの間の乗換客が多い。

普通電車快速(「電車線」経由のみ)が停車する[2]。このうち快速は明石海峡大橋開通に伴う高速舞子バス停開設により1998年3月14日から停車するようになったもの[4]。「列車線」側にはプラットホームが設置されておらず[5]、列車線を走行する快速(朝ラッシュ時に設定)・新快速特急の停車はない。

歴史[編集]

舞子地区は古来から保養地として知られ、当駅も最初は舞子公園の名を冠した停車場として誕生したが、高度成長期以降は垂水区西部の宅地開発により、これら住宅地へのアクセス拠点としての性格を持つようになった。さらに明石海峡大橋の開通によって高速バスとの乗り換え拠点としても利用されるようになる。

年表[編集]

※なお、隣接する山陽電気鉄道舞子公園駅も、開業時は「舞子」と称しており、1927年 - 1935年までは同じ駅名の2駅が併存していた。逆に当駅も開業当初は「舞子公園」を名乗っていたが、山陽電気鉄道開業前の1896 - 1899年までのことであるため「舞子公園駅」が併存したことは無い。

駅構造[編集]

構内

電車線のみに島式ホーム1面2線(ホーム長245m、12両編成対応)[5]を有する地上駅で、橋上駅舎を有する。分岐器絶対信号機を有さないため、停留所に分類される。

改札口は1ヶ所のみ。駅舎とホームを結ぶ階段は姫路側に設置されており、その階段の裏側にトイレがある。

前述のように、1998年3月14日ダイヤ改正までは普通列車のみの停車であったため、ホーム長は8両編成に対応した165mしか無かったが、編成の長い快速列車に合わせて延長された[13]

のりば[編集]

のりば 路線 方向 行先
1 A JR神戸線 下り 西明石姫路方面[14]
2 上り 三ノ宮尼崎大阪方面[14]
  • 上表の路線名は旅客案内上の名称(愛称)で表記している。

ダイヤ[編集]

日中時間帯は1時間に8本(快速・普通が4本ずつ)停車する[15]。朝ラッシュ時は本数が多くなる(三ノ宮・大阪方面は普通電車のみの設定)。

発着する運転系統・停車駅・本数(日中)の一覧
本数 路線(西方向) 系統・種別 路線(東方向) 本数 備考
4本/時 網干・加古川-・・・-大久保-西明石-明石-舞子 快速 舞子-垂水-須磨-兵庫-神戸-・・・-野洲・米原 4本/時
4本/時 加古川-・・・-西明石-明石-朝霧-舞子 普通 舞子-垂水-塩屋-須磨-・・・-高槻・四条畷 4本/時

利用状況[編集]

「兵庫県統計書[16]」によると、2021年(令和3年)度の1日平均乗車人員14,769人である。

「神戸市統計書」(神戸市企画調整局総合計画課・編)及び「兵庫県統計書[16]」によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通り。

年度 1日平均
乗車人員
1999年 19,380
2000年 20,336
2001年 20,014
2002年 19,619
2003年 20,039
2004年 20,086
2005年 20,655
2006年 20,951
2007年 20,970
2008年 21,102
2009年 20,692
2010年 20,306
2011年 20,408
2012年 20,230
2013年 20,348
2014年 19,653
2015年 19,955
2016年 19,917
2017年 19,926
2018年 19,464
2019年 18,856
2020年 14,790
2021年 14,769

駅周辺[編集]

バス路線[編集]

「舞子駅前」停留所にて、神戸市バス垂水営業所)や山陽バスの路線が発着する。なお、乗り場は系統毎に分かれている。ただし、「52」と「191」は同じ乗り場から発車する。

  • 51:県商前・学園都市駅前方面
  • 52:朝霧駅
  • 53・54:学園都市駅前方面
  • 59:垂水駅
  • 191:西部障害者センター・掖済会病院前方面

高速舞子」については当該記事を参照。

ホーム転落事故[編集]

概要[編集]

2010年12月17日、快速電車(姫路発米原行き、12両編成)から下車した直後の女性(当時32歳)が車両連結部付近でホームから線路に転落[9][10]。転落を目撃したほかの乗客により非常停止ボタンが押され報知灯が作動したが、当該電車の車掌は転落に気付かず列車はそのまま発車。その後ハンカチを振って知らせる乗客に気付き、車掌は電車を非常停止させたが電車は既に約50m走行し、女性は電車に轢かれその場で死亡が確認された[9][10]。また、この際に救出しようとした友人の女性(当時28歳)が負傷した[9][10]

原因[編集]

事故を防ぐことの出来なかった主な要因は以下の通り[9]

  • 女性が転落した部分は、4両目と5両目の間の先頭車両同士が連結された部分のため、通常の連結部に設置されている転落防止幌が設置されていなかった。
  • 現場のホームは直線であることからホーム上には終日駅員が配置されていなかった。
  • 非常停止ボタンを押してもホーム上全ての報知灯及び警報ブザーが作動する訳では無く、押されたボタンの直上に設置された物のみが作動する仕組みであった。また事故当時に作動した報知灯は車掌の位置からはホーム上の支柱や番線表示の照明に隠れて視認出来なかった[10]
その後の対策
  • 2011年1月末に、当駅の先頭車両同士の連結部が停車する可能性のある3ヶ所のうち、車掌から最も遠い1ヶ所に金属製の固定柵(幅約2.5m、高さ約1.2m)が設置された[9][17]
  • 当駅のホーム上の非常報知灯が14個から21個に増設された[17]
  • 転落防止のため、連結部分に当たる運転席の室内灯を終日点灯させる取組みを始めたが[9]、効果が薄いため一部の車種や他社線に乗入れる列車を除き連結部分の前照灯を終日点灯とすることに改められた[18]
  • 207系1編成(3両+4両)の先頭車に転落防止カバーを試験的に取り付け、半年間効果を検証するとしている[19]
  • 視覚障害者向けには先頭部に音声警報装置を取り付け。287系2編成および前述の転落防止カバーを取り付けた207系1編成ですでに実施[20]
  • 207系(編成中間となる先頭車、体質改善工事が未施工の編成を含む)・221系(併結運用がない奈良支所の6・8両編成を除く[21])・223系JR四国に乗り入れる5000番台を除く)・225系521系先頭車間転落防止幌を取付。225系2次車(併結運用が無い日根野支所5100番台6両編成を除く)・521系3次車・227系は新製当初から設置。
参考文献
  • 2010年12月18日付 朝日新聞朝刊・夕刊

隣の駅[編集]

西日本旅客鉄道(JR西日本)
A JR神戸線(山陽本線)
新快速・快速(列車線経由、朝の上りのみ運転)
通過
快速(電車線経由)
垂水駅 (JR-A70) - 舞子駅 (JR-A71) - 明石駅 (JR-A73)
普通(JR東西線学研都市線内で区間快速となる列車を含む)
垂水駅 (JR-A70) - 舞子駅 (JR-A71) - 朝霧駅 (JR-A72)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』神戸新聞総合出版センター、2011年12月15日、42頁。ISBN 9784343006028 
  2. ^ a b c d 双葉社 2021, p. 37.
  3. ^ 高速舞子(こうそくまいこ):バス停マップ - 神姫バス
  4. ^ a b “JR新ダイヤスタート 東海道・山陽新幹線 500系「のぞみ」を増発”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1998年3月17日) 
  5. ^ a b c 双葉社 2021, p. 34.
  6. ^ a b c d 双葉社 2021, p. 44.
  7. ^ “列車接近をメロディーで JR神戸線塚本-姫路間”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1997年3月11日) 
  8. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '98年版』ジェー・アール・アール、1998年7月1日、185頁。ISBN 4-88283-119-8 
  9. ^ a b c d e f g 西日本旅客鉄道株式会社 山陽線 舞子駅構内 鉄道人身障害事故” (PDF). 運輸安全委員会 (2012年1月27日). 2022年2月8日閲覧。
  10. ^ a b c d e “駅で女性転落死、非常ブザーに乗務員気づかず 兵庫・舞子”. 日本経済新聞. (2011年11月22日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2203S_S1A121C1CC1000/ 2022年2月8日閲覧。 
  11. ^ 琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線・大阪環状線の駅のホームで使用している「入線警告音」の音質を見直します
  12. ^ 近畿エリアの12路線 のべ300駅に「駅ナンバー」を導入します!
  13. ^ JR神戸線舞子駅ホーム延伸工事の着工について (インターネット・アーカイブ)- 西日本旅客鉄道プレスリリース 1997年8月19日
  14. ^ a b 舞子駅|構内図:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2023年2月1日閲覧。
  15. ^ 双葉社 2021, p. 36.
  16. ^ a b 兵庫県統計書
  17. ^ a b 出典:2011年2月13日付 朝日新聞朝刊39面
  18. ^ 転結部の前照灯を点灯 ホーム転落防止へ JR西日本”. 神戸新聞 (2011年5月29日). 2011年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月8日閲覧。
  19. ^ 出典:神戸新聞NEWS 2011年8月2日付[リンク切れ]
  20. ^ 出典:神戸新聞NEWS 2011年5月29日付
  21. ^ 但し網干総合車両所所属の車両は設置対象だったため、同じ奈良支所所属の6両編成でも網干から転属して来た車両は転落防止幌が設置されている。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]